ミャンマー孤児院訪問
2度目の孤児院訪問 2005年1月"
ミャンマー再訪して参りました。今回は1月5日に発って、こちらの10日朝に戻ってくるというスケジュールでしたが、大変感動的な体験をしてまいりました。
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今回は、理事の皆さんと今後のことを話し合うことが目的でした。ろうそくの事業は始めてまだ三ヶ月ですが、おかげさまで順調に売り上げを伸ばし、大変期待できるようになって来ました。女子の孤児院設立の日もそう遠くは無いかもしれません。
今回再訪するに当たり、ぜひともパラヒタ孤児院にプレゼントしたいものがありました。百科事典です。昨年八月に訪れたとき、図書室(学習室)にほとんど本らしい本が無かったことが気になっていました。到着した翌朝、ヤンゴン市街の古本屋さんをのぞくと、昨年全巻完成したばかりのミャンマー語 百科事典全十五冊がならんでいるではありませんか。お決まりの値段の交渉を経て、講談社の図鑑全十冊(ミャンマー語訳)と共にめでたくパラヒタ孤児院のものになりました。カラー印刷はまだ始まったばかりですので、写真はほとんど白黒ですが、それでも全十五冊を目にするのは、子供たちはもちろん、先生も理事の方も初めてだそうす。薄暗い図書室で、一冊に何人もの子供が頭を寄せて、むさぼるように読んでいる姿に感動しました。
またおもちゃになるかと思い、磁石を少し買って行きました。ところが、授業では教えるものの、本物の磁石が無いので、大変喜ばれました。くっつく力と反発する力は、自分の手で感じなければ分からないものです。庭に出て、土の中を探ると、砂鉄ならぬ鉄くずの破片がたくさん取れ、いろいろな遊びが展開されました。
この次訪れるまでに、英語の絵本や子供向けの本を集めたいと思っています。英語の授業は小学校からありますので、楽しみに待っているとのこと。このページを開いてくださった皆さんで、処分しようかと思う子供向けの英語の本がありましたら、是非当山までお送りくださいませんか。
実は今回、斉藤隆介の絵本「八郎」を拡大して紙芝居に仕立てて持って行きました。これは秋田の八郎潟にまつわる民話をもとに作られた作品で、全編秋田方言で語られています。以前娘の小学校で読み聞かせをしたことがあり、娘の同級生の男の子たちを感動で泣かせてしまったことがあります。言葉は通じなくとも、魂は通じると、少し自信を持っています。シェインさんが通訳をしてくれることになり、パラヒタ孤児院と、その町から船で小一時間ほど行った所の村の小学校で読み聞かせをしました。もちろん日本語も秋田方言も言葉としては通じませんが、この物語の魂は十分に伝わった手ごたえを感じました。
もう一ヶ村の小学校も訪ねましたが、ともかく、どこも村をあげての大歓迎をしてくださり、子供たちの歌や踊りも披露していただきました。僧侶は敬われる国柄ではありますが、「日本からお坊様が見える」と、私のような者にこれほどの歓迎の気持ちを表していただき、なんと感謝してよいものやら、正直戸惑うほどでした。
昨年暮れに起きた津波による被害は、ミャンマーのこの州南部の海岸地帯に深刻な被害を与えたとのことでした。孤児院に引き取らねばならない子供の少ないことを祈るばかりです。